FXで損をしないために

投資取引であるFXは、もちろん利益を生み出すことを目的にして運用されることが多いと思います。

しかし、利益を出そうとして大きく動いてしまうと、その背後に隠れている損失に足元をすくわれることも事実です。

例えば、ある通貨が上がると予測して買い、相場の変動を待ったとしましょう。その通貨は好調に伸びていき、当初の予想を超えるペースで、最初に自分が利益を取り込もうと言う値に到達してしまいました。こうなるとさらに伸びるのではないかという心理が働き、売って利益を取り込もうというタイミングを、先送りにしてしまいます。

ところが、この後に相場は急落し、自分の最初の利益ポイントをとっくに下げ越え、損失が出るところまで下がってしまいました。いま注文を確定すると、投資したお金は戻ってきません。

悩むところではあるのですが、為替レートがさっきの好調な高値から下ってきたことは間違いないので、また上がっていくだろうという思いが働き、そうすれば今のマイナスを食らうことなく、さっきのようにより大きなプラスになるだろう、と考えてしまうのです。

ここでまた、損益を小さく済ませようというタイミングを失ってしまいました。

ここまで来るともう思考は止まりません。

利益が出ている時にも、損失が出ている時にも、もっとどうにかなるのでは、という考えに惑わされてしまい、売ることができなくなってしまうのです。

とくに、FXの特徴である、証拠金を元にした信用取引、レバレッジを使っている場合では、小さな投資に取引業者からの資金を受けて、通常の何十倍ものたくさんの通貨を買っているために、利益が大きく、損失も甚大な事柄、余計に強い心理が働いてしまい、こうした考えに嵌まってしまうことが多いのです。

そうこうして迷っているうちに、事態はさらに深刻な方向へと進んでいきます。

これは、特にレバレッジを大きくかけている時に起こりやすくなるのですが、先のようにいつか、いつか、と思いながら待っているとしましょう。

理論上で言えば、例えばその通貨が、その国が崩壊するようなことがない限りは、下がった通貨は必ず上がるのですが、為替レートは絶えず上下動を繰り返していて、それがいつなのかは全く見当は付きません。

いつか価値が上がるその日まで、その間ずっと買った通貨を持ち続けているのは、現実的ではありませんし、なにしろ、利益を取り込んでいきたい投資取引としては、値動きが上がってこないのであれば、何年持ち続けていようともそれは利益にならず、根本的な問題として、投資取引にはならないでしょう。

こうして、通貨を持ち続けている間はずっと、利益を得る可能性もありますが、損失を被る可能性もあるのです。そして、このイーブンであるはずの可能性は、実は損失の方がその影響は大きく、また現実性も高いのです。


それは、取引業者によるセーフティネットである強制決済、ロスカットの存在です。

大きな利益を得るために我慢し続けることは幾らでもできるのですが、損失はそうはいきません。

FX取引業者は、顧客が大きな損失を抱え過ぎてしまわないように、最初に預けた証拠金に対し、取り引きをしている通貨の損失の評価価格の割合が一定に達した場合、その損失を広げないために、顧客が保持している通貨を強制的に決済してしまうのです。


ですので、いつか持ち直すだろうと思っていても、周りがそれを許さずに、強制的に損失を背負わされてしまうことがあるのです。

これは、レバレッジを大きくかけていればかけているほど、その損失の評価価格も大きくなるために、発生しやすくなるのです。

こうした事を、まとめて考えてみると、利益を掴むためには、利益を追うのではなく、いかに損失を小さくしていくか、という事が大切だという事がわかると思います。

つまり、損をしないためには、小さな損を取り込んでいくことが一番大切なのです。

例えば、レバレッジはここぞという時以外には使わないか小さくかける、利益が少しでも出たらその時に決済をして取り込んでおく。損失が出る展開には、小さな時点で損失をあえて被る。ということになります。

とくに、最後の損失を小さい時点で被るということは、なかなかできる事ではないと思います。

しかし、実はこの考えができるかできないかで、積み上げられる利益に大きな差ができ、これがFX上級者、投資取引の上級者への第一歩になっているのです。

どうしても難しいようであるのであれば、ここまで利益が出たら、ここまで損失が出たら必ず決済する、というルールを決め、どんなときにもそれにしたがって投資取引をしてみるのも、よい訓練になると思います。

利益を大きく掴んでいくためには、必ず負わなければいけないリスクを、いかにコントロールして小さく抑えるか、ということになっていくのです。